と、その前に HA クラスタって何?ってところを整理しておきたい。
HA クラスタは、HA と クラスタ(Cluster) の2つに分割出来る。
それぞれ
- HA : High Availability(高可用性)
- Cluster : 束、房
そもそも、クラスタというのは「同じもの、同じようなものがたくさん集まって、1つの集合になっている」物を示すものだ。
良く引き合いに出されるのが、
- ぶどうの房
- バナナの房
ぶどうは1つずつの粒がたくさん集まって、1つの房を形成していて、それ全体で「ぶどう」と呼んでいる。
バナナも同様、1本1本もバナナだけど、それが集まった房を指して「バナナ」と呼んでいる。
こういった感じで、同じもの、同じようなものが集まって1つの大きな集合を形成している姿を「クラスタ」と呼んでいる。
最近だと、ある特定のジャンルの専門家が集まって議論しているような姿をクラスタと呼んだりしていることも…。(医療者が集まっている姿を「医療クラスタ」とか、ガンダムに詳しいオタクを集めて「ガンダムクラスタ」とか…。)
まぁこういう感じで、「コンピュータを複数集めて、1つの大きなシステムを構成していること」を「コンピュータクラスタ」と呼んでいたりする。
で、もう1つの「HA」だけど…。
「高可用性」って言われても、何がなんだか良くわからない。
「可用性」が「高い」ということなんだけど、「可用性」ってナンだ?って。
これ、漢字をバラしてみると分かる。
「用いる(使用する)」ことが「可能」な状態を維持する「性能」。
これが「高い」ということ。
具体的には「いつでも使用することが出来る状態を維持していること」。逆に言うと「使用できない状態が少ない(短い)こと」。
システム全体のうち、一箇所壊れたってシステム的には稼働させることが可能な状態、ってことになる。
(構成によっては、一箇所どころか二箇所・三箇所壊れたって稼働させることが可能、ということも)
ちなみにITの世界では、「クラスタ」と言ったら、大抵はこの「HA クラスタ」を指す。
じゃぁ HA クラスタ以外にはどんなのがあるの?ということで、触りだけ。
- HPC(High Performance Computing)
制御用コンピュータの配下に、たくさんのコンピュータを接続。
制御用コンピュータが、複雑な処理や計算を分割、配下のコンピュータに分散処理あせることで、1台の性能では得られないパフォーマンスを得る。
スーパーコンピュータが担っていた世界を置き換えているみたい。(タンパク質構造解析とか、画像(動画)解析とか、天気予報とか…) - ロードバランシング型クラスタ
ロードバランサ配下にたくさんのコンピュータを接続。
アクセスを各コンピュータに振り分けることで、処理を分散させる。
HPCとの違いは、配下のコンピュータは全て同じ機能しか持っていない、という点、ロードバランサはあくまで振り分けをしているだけで、大きな処理を分割しているわけではない、という点。 - 垂直分散型クラスタ(機能分散型クラスタ)
システム的に、Web/Application/DB等に機能分割し、それぞれ専用のサーバを用意、各サーバ間で通信しながら、1つの大きなシステムを構成する。
90年代後半から3層構造等と言われて、よく使用されている。
今回は、これらの中で HA クラスタに挑戦したいと思う。
というわけでマテ次回。
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