今回のコンバート対象は、もともと物理環境で動いていたWindows7 Entだ。
こちら、搭載されていたSSDは既にツブしてあって、そもそもコンバート元が存在しない。
実は、環境をツブす前に、Windows Backupでバックアップを作成していて、そのバックアップデータからKVM仮想マシンにリストアする、という形をとる。
やり方はそんなに難しくないので、簡単に流れだけ書いておく。
- virt-managerから仮想ディスクを作成。
ここでは、元々使っていたディスクサイズと同程度か、それ以上のサイズにしよう。 - virt-managerから仮想マシンを作成。
1で作成した仮想ディスクを使用する。また接続I/F(IDEとかSATAとか)は、元々使っていた構成と同じにしよう。 - virt-managerのcd-romデバイスに、Windowsのインストールメディアか、バックアップ時に作成しておいたシステム修復ディスクを指定。
- 仮想マシンを起動。(CD-ROMブートさせる)
- 後はメニューに従ってシステムリストアさせる。
- 構成に併せてOSをカスタマイズする。
- 再アクティベートする。
- 不要なアプリケーションの削除
まずは以前導入済みで、仮想環境として不要となるアプリケーションの削除をしよう。
以前、物理マシン上で動かしていた頃、Intel Rapid Strage TechnologyやSSD用のツールキットを使っていたが、これらは不要となるだけでなく、なぜかCPU使用率が上がってしまうので削除する。
また、KVM仮想マシン上のWindowsでは、VMware Workstationも動かせないようなので、こちらも削除してしまう。
自分の場合、VMware Workstationの仮想マシン領域にiSCSI領域を使用していたため、こちらも不要だ。仮想マシンの必要なファイルを取得したら、iSCSIも停止してしまおう。 - 不要なデバイスの削除
管理者権限でコマンドプロンプトを起動し、以下のコマンドを実行しよう。
set devmgr_show_nonpresent_devices=1
Start DEVMGMT.MSC
デバイスマネージャーが起動してくると思うので、メニューバー「表示」から「非表示のデバイスの表示」を選択しよう。
メインウィンドウのツリーに、薄いアイコンがたくさん出てくると思う。これは、過去に接続したことのあるデバイスで、今は接続されていないもの、だ。
これらは、再度接続すれば認識されるが、もう二度と接続しないものもあるだろう。レジストリ領域を無駄に消費してしまうので、これらを削除してしまおう。
この中で正常に動作していないデバイスとして「PCIシンプル通信コントローラー」と「PCIデバイス」が見つかるかもしれないが、その二つは今は放置しておいて構わない。
この手順は、次の「VirtI/Oドライバの追加とデバイス切り替え」の後にも実施しておこう。 - VirtI/Oドライバの追加とデバイス切り替え
こちらは、HDD用とそれ以外で手順が異なる。
個別に対応する。- ドライバディスクの入手
ドライバディスクは、Fedoraプロジェクトのサイトからダウンロードできる。
ホストOS上でダウンロードしておこう。 - NetworkデバイスのVirtI/Oへの切り替えとドライバインストール
- ゲストOSを停止
- Networkデバイスを、VirtI/Oへ変更
- ゲストOSを起動
先ほどダウンロードしたドライバディスクを、ゲストOSのCD-ROMデバイスへマウント - デバイスマネージャーで、ネットワークデバイスが「不明なデバイス」になっていると思うので、右クリックから「ドライバの更新」を行い、ドライバの場所としてCD-ROMを選ぶ
- ドライバがインストールされる
同じように「PCIシンプル通信コントローラー」と「PCIデバイス」もドライバインストールする
ドライバディスクの中にQXLドライバもあるが、これをインストールしたら再起動でハングするようになった。spice-projectの方でドライバを配布しているため、そちらを使用しよう。
「標準VGAグラフィックアダプター」のドライバ更新だ。
そこまで出来たら、一度再起動して動作を確認してみよう。 - 仮のHDD追加とドライバインストール、OSディスクのデバイス切り替え
こちらはちょっと面倒だ。以下の流れで実施する。- ゲストOS停止
- 新しい仮想ディスクをゲストに追加
(このとき、インターフェースをVirtIOにすること) - ゲストOS起動
- ゲストOSのデバイスマネージャにドライバが無いSCSIコントローラーが表示されるので、他のドライバと同じように更新
- ゲストOS停止
- 先ほど追加した仮想ディスクを削除
- もともと使っていた仮想ディスク(仮想マシンのOSが入っているディスク)のインターフェースをVirtIOに変更する
- ゲストOS起動
- ドライバディスクの入手
- Guest-Agentの導入
仮想ドライバのメディアの中に、guest-agentというフォルダがある。
ゲストにコイツも入れておこう。ホストからの制御が出来るようになるっぽい。
(vmware-toolsとかその類)
Windows Installer形式なので、デバイスドライバの導入ほど手間はかからないはずだ。 - そのほか
後は、IPアドレスの固定化など、自分の環境に合わせて実施すればいい。
次は、VMware workstationのゲストで動かしていた環境だな。
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